胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)」への対応
<腕のだるさ、痺れ、痛みにお悩みの方>
洗濯物を干すときに腕を上げていると肩や腕に痺れが出る?
カバンを長時間肩にかけていると腕が痺れて辛い?
長時間パソコン作業を続けていると肩や腕が痺れる?
このような症状がある方は「胸郭出口症候群」の可能性があります。 「胸郭出口症候群」という名称を耳にしたことがある方は少ないかもしれません。この症候群は、肩や首の付近にある「胸郭出口」と呼ばれる狭い通路で、神経や血管が圧迫されることによって起こる症状の総称です。
ここでは、「胸郭出口症候群」について、原因、具体的な症状、日常生活への影響、そして対処法について詳しく解説します。
目次
1.「胸郭出口」とは?
1-1.胸郭出口の構造
胸郭出口とは以下の様な骨や筋肉で構成されています。
鎖骨(さこつ)
鎖骨は首の下にある横に長い骨で、肩の動きや胸の構造を支える重要な役割を担っています。鎖骨の下を大事な血管や神経が通過します。
第一肋骨
鎖骨の下に位置する胸郭の上部の骨で、胸郭出口の境界を形成します。
肩甲骨(けんこうこつ)
背中の上部にある平らな骨で、胸郭出口周囲の筋肉と連動して動きます。
斜角筋(しゃかくきん)
首の横にある筋肉群で、第1肋骨に付着し、頭や首の動きに関与します。また、これらの筋肉の間を神経や血管が通ります。
小胸筋(しょうきょうきん)
鎖骨の下方に位置する小さな筋肉で、肩の動きや胸郭出口のスペースに影響を与えることがあります。
1-2.胸郭出口を通る重要な神経や血管
腕神経叢(わんしんけいそう)
腕や手の動きと感覚を司る神経の束です。この神経が圧迫されると、しびれや痛みが発生します。
鎖骨下動脈(さこつかどうみゃく)
心臓から腕に血液を送る動脈で、圧迫されると血行障害が起こることがあります。
鎖骨下静脈(さこつかじょうみゃく)
腕から心臓に血液を戻す静脈で、圧迫されると腕や手がむくんだり青白くなることがあります。
2.「胸郭出口症候群」とは?
3.「胸郭出口症候群」の主な原因
胸郭出口症候群を引き起こす原因は様々ございます。胸郭出口症候群の原因について詳しく解説していきます。
- 1.不良姿勢
長時間のパソコン作業やスマートフォンの使用などにより、猫背などの不自然な姿勢を続けることが原因となる。 - 2.反復動作
重いものを持ち上げる動作を繰り返すことで、腕に力を入れて重いものを持ち上げる労働や運動が、神経や血管を圧迫する原因となり得る。 - 3.スポーツによるもの
バレーボールやバドミントンなどの手を高く上げる動作を繰り返すスポーツが原因で筋肉が過剰に発達するため胸郭出口を狭めてしまう。 - 4.筋肉の緊張によるもの
斜角筋(しゃかくきん)
頚椎から第1肋骨まで伸びる筋肉で、前斜角筋および中斜角筋が神経や血管を圧迫する。
小胸筋(しょうきょうきん)
肩甲骨から第3~第5肋骨にかけて存在する筋肉。
肩甲挙筋(けんこうきょきん)
頚椎から肩甲骨に伸びる筋肉で、過度に緊張すると胸郭出口周辺の構造を圧迫することがある。
胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)
胸骨および鎖骨から頭部にかけて伸びる筋肉。
鎖骨下筋(さこつかきん)
鎖骨の下を通る筋肉。
これらの筋肉が緊張し、硬結してしまうと神経や血管を圧迫してしまい胸郭出口症候群を引き起こす。 - 5.解剖学的な異常によるもの
頚肋(けいろく)などの解剖学的な異常が神経や血管を圧迫することがある。
※頚肋とは:第7頚椎(7番目の首の骨)の横突起が伸びて肋骨のようにみえる肋骨奇形。これは胎児期に一部の人々で発生することがあり、成人になっても残ることがある。頚肋は通常、頚椎の第七頚椎(C7)から発生し、肩甲骨の近くで終わることが多い。
4.胸郭出口症候群の主な症状
- 腕や手の痺れ
特に長時間同じ姿勢を保つと腕のしびれが強くなる。痺れは指先まで達し、小指や薬指に特に感じられることが多い。 -
腕や肩の痛み
痛みは鋭いものや鈍いものまで様々で、肩から腕全体に広がることがある。腕を上げる動作や物を持ち上げる際に痛みが増すことがほとんど。 -
握力の低下
小さな物を掴むのが難しくなり、特に細かい作業(ボタンを掛ける、ペンを持つなど)が困難になる。また握力の低下は手全体に影響を及ぼすことがある。 -
感覚異常
皮膚が敏感になり、触れたときにビリビリ感や刺すような痛みを感じる。また、皮膚温が低下し、冷たく感じることもある。 -
運動麻痺
手の筋肉が萎縮し、動きが制限される場合がある。例えば、手のひらを開く、物を持つ、指を動かすといった基本的な動作が困難になる。 -
腕の冷感
血行障害によって手や腕が冷たく感じることがあります。特に冷たい環境にいると症状が悪化する。また、血流が悪くなるため、手が白っぽくなることがある。特に腕を上げると手が白くなり、下げると青紫色になることがあり、これはRaynaud現象(レイノー現象)とも呼ばれる。 -
肩甲骨周囲の痛み
肩甲骨の内側に痛みを感じる。特に姿勢を変えたり、肩を動かすと痛みが和らぐことがある一方で、長時間同じ姿勢を続けると痛みが増す。 -
首のこりや痛み
デスクワークやスマートフォンの使用が増えると首の筋肉が緊張し、こりや痛みが生じます。これにより頭痛が発生する場合もある。 -
頭痛
首や肩の筋肉の緊張が原因で後頭部から側頭部にかけての痛みが生じる。これは緊張性頭痛と呼ばれ、ストレスや疲労が影響を与えることがほとんど。※詳しくは頭痛対応ページをご覧下さい!→こちらをクリック!
5.胸郭出口症候群の一般的アプローチ
- 1.温熱療法、冷却療法・温熱療法:温かいタオルやホットパックを肩や首に当てることで筋肉の緊張を緩和し、血行を促進します。
・冷却療法:痛みや炎症がある場合は、冷たいタオルやアイスパックを使用して炎症を抑えることができます。 - 2.ストレッチ
斜角筋、小胸筋、肩甲骨周囲の筋肉をストレッチすることで、筋肉の緊張をほぐし、神経や血管の圧迫を軽減できます。例えば、両手を後ろで組み、肩甲骨を引き寄せるストレッチが効果的です。 - 3.姿勢の改善
デスクワークやスマートフォンの使用時に、背筋を伸ばし、肩をリラックスさせることが重要です。猫背や前かがみの姿勢を避けましょう。 - 4.生活習慣の見直し
長時間同じ姿勢を続けないようにし、定期的に休憩を取ることが大切です。また、重い荷物を持つ際には、両肩に均等に負担がかかるように工夫しましょう。
6.『おあしす流』整体術アプローチ
私たちが行う『おあしす流』整体術は「胸郭出口症候群」への独自のアプローチ方法です。。
胸郭出口症候群は幅広い年齢層の方々に見られ、日常生活や仕事の習慣と密接に関連しています。そのため、『おあしす流』整体術では胸郭出口部だけではなく他の部位にも着目し、全身のバランスを整えることを重視しています。
胸郭出口症候群の原因には、姿勢の悪さや肩甲骨周辺の緊張などが挙げられます。長時間のパソコン作業や重い物を持ち上げる動作、手を高く挙げる動作などが影響しやすいのです。
私たち『おあしす流』整体術アプローチでは、姿勢や肩甲骨周辺の筋肉を調整し、胸郭出口部への負担を軽減します。これにより、痛みの原因を根本から解消することができます。
<第一のアプローチ>
6-1.カウンセリング
患者様のこれまでの症状やお悩みをしっかりとお聞きし、丁寧にカウンセリングを行います。「胸郭出口症候群」にはさまざまな原因があり、現れる症状も一様ではありません。
さらに、「胸郭出口症候群」の症状は個人差があり、多岐にわたるため、患者様一人ひとりに合わせた施術が重要です。そのため、患者様が抱える症状とその原因をしっかりと理解するために、十分な時間をかけてカウンセリングを行います。
おあしす接骨院では、患者様一人ひとりを大切にする『おあしす流』カウンセリングを大切にしています。ぜひ、あなたのお悩みをおあしすにお聞かせください。
<第二のアプローチ>
6-2.筋肉のもみほぐし
カウンセリングが終了しましたら、患者様が抱える症状の早期改善を目指して『おあしす流』整体術を開始します。
胸郭出口症候群の原因には、日常生活や仕事での姿勢の悪さ、肩甲骨周辺の筋肉の緊張などが関係しています。これにより神経や血管が圧迫され、症状が引き起こされます。
さらに、他の部位をかばうことによって胸郭出口症候群の痛みが増すこともあります。筋肉の硬直化は血流の悪化を招き、他の部位の筋肉も硬直させる原因となります。これが様々な症状を悪化させる要因となります。
『おあしす流』整体術では、「胸郭出口症候群」の原因を取り除くために、肩周りや肩甲骨周囲の筋肉や筋膜の柔軟性を取り戻す施術を行います。柔軟性を取り戻すためには肩や首の周囲の筋肉をほぐし、筋肉の緊張を和らげることが重要です。
『おあしす流』整体術の専門家が、患者様一人一人に合わせた施術を行い、胸郭出口症候群の原因となる筋肉にアプローチしていきます。
<第三のアプローチ>
6-3.歪みの矯正
次に、全身の歪みを矯正する施術を行います。「筋肉のもみほぐし」は、胸郭出口部といった局所的な部位(痛みを感じる部位)に対して直接的にアプローチするものです。一方で、「歪みの矯正」は、身体全体のバランスを整えることで胸郭出口症候群の症状を軽減・改善するための施術となります。
<健康と未病>
一般的に、心身ともに特に不調を感じない理想的な状態を「健康」と呼びます。東洋医学においては、外的環境に対して身体的、精神的に調和が取れている状態を示します。一方で、心身のバランスが崩れ、放置すると病気になりそうな状態を「未病」と呼びます。東洋医学はこのバランスを重視しています。
胸郭出口症候群に関しても、身体全体のバランスが重要です。症状を軽減するためには、全身のバランスを整えることが必要不可欠です。『おあしす流』整体では、このバランスを整えるための施術を提供し、患者様の健康をサポートします。
<身体のバランス>
東洋医学と同様に『おあしす流』整体術では、身体のバランスを非常に重要視しています。人間の身体は一つの全体として機能しており、ある部位が歪むと他の部位にも影響を与えることになります。胸郭出口症候群の場合、肩や首の姿勢が悪化すると、その影響が全身に波及することがあります。これが痛みや痺れといった症状を引き起こしてしまうのです。『おあしす流』整体術では、こうした可能性を考慮し、胸郭出口症候群の症状を根本から改善するために全身のバランスを整える施術を行います。
<施術方針>
『おあしす流』整体術では、「胸郭出口症候群」の症状が現れている部位への施術にとどまらず、身体全体のバランスを整え、全身の歪みを矯正することを重視しています。特に、身体のバランスを整えるための重要な部位として「骨盤」に注目し、それらを矯正することで胸郭周辺の負担を軽減し、症状の改善を図ります。
また、胸郭出口症候群は神経や血管の圧迫が原因で引き起こされるため、症状の緩和だけではなく、根本的な原因にアプローチすることが重要です。そのため、肩甲骨や胸椎、さらには骨盤の矯正により、身体全体の歪みを整え、身体全体の調和を整えていきます。
また、『おあしす流』整体術では単に症状の改善を目指すだけでなく、患者様が今後も健康で快適な生活を送るために、持続的かつ予防的なケアが欠かせません。東洋医学の「未病治療」の考えのように施術後のフォローアップや日常生活での予防策の指導を取り入れています。これにより症状の改善から健康維持、さらには患者様の心身の調和を目指した「トータルケア」を実現します。
骨盤矯正について詳しく知りたい方は「骨盤矯正ページ」へ
<第四のアプローチ>
6-4.施術後のフォロー
『おあしす流』整体術では、「予防」「施術」「予後」の3つのステージを通じて患者様の健康管理をサポートし、身体のバランスを整えながら様々な症状の根本的な改善を目指します。「胸郭出口症候群」の改善に向けてトータルケアを実践し、痛みや不快感を取り除くだけではなく、美と健康を継続的に維持することを目標としています。
施術のプロセスとしては、まず「胸郭出口症候群」による神経や血管の圧迫を緩和し症状を軽減させる施術を行います。その後、症状の改善を最大限にサポートするため「術後のカウンセリング」を実施し、日常生活での正しい姿勢や習慣についてのアドバイスを行います。さらに、予防策を講じることで症状の再発を防ぎ、患者様が安心して生活を送れる環境を整えます。その一環とし
て施術が終わりましたら、まずは「術後カウンセリング」を行います。
<術後カウンセリング>
術後カウンセリングでは施術内容や患者様の症状、その原因について詳しくお伝えいたします。また、患者様のご意見をお伺いしながら「胸郭出口症候群」の改善状況について確認し、症状が軽減したのかどうかを丁寧にチェック致します。ご不明点やご質問がありましたらその都度しっかりと対応致しますので遠慮なくご相談ください。
また合わせて「今後の施術プラン」の検討や「予防と予後のケア」の重要性についてもご説明いたします。
<今後の施術プラン>
「胸郭出口症候群」での症状が改善されてきた段階(※複数回の施術が必要となる場合がございます)では、患者様の症状に対する「根本原因」に焦点を当て、さらに「根本改善」を目指した「今後の施術プラン」を提案させていただきます。
症状が一時的に緩和しても、肩周辺や首、腕などが緊張しやすい状態にある場合は、改善された症状が再び悪化する可能性がございます。また、姿勢の悪さや筋肉の不均衡などの原因によって身体のバランスが崩れ、「胸郭出口症候群」の症状が再発する可能性もあり得るのです。
一時的な改善が永続的な健康につながる様、『おあしす流』整体術では「根本原因の究明と治療」を重視しています。このアプローチは症状の「根本原因」を徹底的に解明し、原因に基づいた治療を実践することで患者様の健康な日々を支援するものです。この「根本改善」の観点を基に「胸郭出口症候群」に対する「今後の施術プラン」を検討してまいります。
<予防と予後のケア>
『おあしす流』整体術では「根本改善」に向けた施術だけで健康の維持が十分であるとは考えておりません。健康を持続的、継続的に守るためには施術に加えて、日常生活における生活習慣の見直しや改善が重要であると考えています。そのため、当院は「予防と予後のケア」という視点を大切にしています。これを実践するために『おあしす流』整体術では次の三つのポイントを重視しています。
- 『おあしす流』アドバイス
「胸郭出口症候群の再発防止策」はもちろん「食事と健康」「ダイエット」などの生活習慣の見直しなど、一人一人の患者様に合わせた『おあしす流』アドバイスを行います。 - 『おあしす流』エクササイズ
「姿勢と身体のバランス」「インナーマッスル」など、患者様の姿勢や日常動作、自宅で出来る「胸郭出口症候群」に特化した一人一人に適したオーダーメイドの『おあしす流』エクササイズの提案を行います。 - 『おあしす流』ストレッチ
骨盤の歪みをリセットするストレッチ(骨盤リセッチ)呼吸法による骨盤を保持する筋肉のトレーのイングの管理など、身体のバランスにとって大切な8「骨盤」の歪みを整え、歪みにくい身体作りを実践する為に『おあしす流』ストレッチ方法を指導いたします。
『おあしす流』整体術では、「施術」に加えた「予防」と「予後」のケア、これら3つのステージからなる「トータルケア」の視点から、患者様をサポート致します。身体の継続的な管理を通じて、患者様の健康で幸せと思える生活が送れるように最善を尽くします。
7.まとめ
「胸郭出口症候群」の診断の難しさ
これまでに説明してきましたが一口に「胸郭出口症候群」と言ってもそこには様々な原因や症状があり「胸郭出口症候群」への効果的な治療は「〇〇〇だ」と自己判断してしまうことはとても危険であり、様々な症状の改善を遅らせてしまう原因にもなり得るのです。
さらに対応を難しくしている理由として、「胸郭出口症候群」をご存知の方が比較的少ない傾向にあること、症状がとても多様ということ、大きな個人差があるということも付け加えておきます。
お悩みの方は専門家へ
胸郭出口症候群を見分けることはとても困難です。少しでも「私は胸郭出口症候群なのかな?」と考えられている方は専門家に相談しましょう。様々な症状で悩んでいる方でもその症状が我慢できるうちはそのうち治るだろうと放置してしまいがちです。しっかりと適切に対応をしないまま放置してしまうとその症状は慢性化してしまうのです。さらには他の症状も誘発させてしまう恐れもあります。
「それほど痛みがないから大丈夫だろう・・・」と自己判断
「今はそんなに強い痛みじゃないからそのうち治るだろう・・・」と完全放置
「仕事で負荷が掛かってはいるが症状出ていないし大丈夫だろう・・・」とノーアクション
このような考え方は非常に危険です。放置してしまうことで、「胸郭出口症候群」だけではなくそれから派生する他の症状(腕や肩の痛みなど)に悩まされ続ける状態に・・・という結果になりかねません。この先の長い人生を健康で幸せなものにしたいとお考えであれば、ぜひ専門家による適切な診断と治療をうけることを強くお勧めします。
「デスクワークの時間が長くなってきて肩や腕に違和感を感じる?」
「スポーツを頻繁にやるようになって腕がなんか重たく感じる?」
「最近、洗濯物を干すなどの手を上にあげるような日常生活動作をやりたくない?」
少しでもこのように思ったら、その痛みを放置せず、すぐに専門家に相談することが大切です。もちろん、当院でもそのようなお悩みの相談もお受けしております。おあしす接骨院の今まで積み上げてきた経験と知識、そして施術の技術をもって、患者様のお持ちになっている不安やお悩みを解消すべく最善を尽くして対応致します。